秋の味覚といえば、そのひとつに挙げられるのが『柿』です。
柿には甘柿と渋柿があり、名前通り甘柿は甘くて果物だと直感できますが、渋柿って果物とは思えない渋みですよね。
一方、スイカは甘いけど野菜と言われています。
実際のところ柿は果物と野菜どちらなのかハッキリさせていきましょう。
野菜と果物の決め方
農林水産省によると、はっきりとした定義はないものの、生産分野では以下の特性を持つものが野菜とされています。
- 田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
- 副食物であること
- 加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
- 草本性であること
出典:農林水産省ホームページ
柿は木になる実なので、上には当てはまらず果物ということになりますね!
また、スイカはおもいっきり当てはまっているので野菜、と。
甘さで決まるのではなかったんですね(笑)
ちなみに『いちご』『メロン』『スイカ』などは上の基準では野菜に分類されますが、果物的な利用をすることから『果実的野菜』として扱うそうです。
甘柿と渋柿の違い
それでは甘柿と渋柿って何が違うのでしょうか。
渋味の原因は?
柿の渋味、それはずばり柿に含まれる『タンニン』です。
渋柿、甘柿どちらにもタンニンは含まれていますが、渋柿の場合、タンニンが水溶性なので口に入れた時に唾液でタンニンが溶けて渋味になります。
甘柿は不溶性のタンニンなので口の中で溶けず、渋味を感じないのです。
品種によって違う?
昔は甘柿というものはありませんでした。
渋柿の突然変異で甘柿ができ、品種改良を重ねて現在では以下の4種類があります。
・完全甘柿(次郎柿や富有柿など)
・不完全甘柿(西村早生柿や筆柿など)
甘柿とそうでないものが混在する柿で、種ができないと渋柿になる傾向があります。
・渋柿(平核無柿や刀根早生柿など)
生食向けには収穫の後、『渋抜き』されてから出荷されます。
・その他変わり種(黒実柿や豆柿など)
甘柿の見分け方
形で見分けられる?
一般的によく言われていることは以下です。
甘柿:平たくて四角い形で重さがある
渋柿:丸い、もしくは細長い形で先がとがっている
ただし、柿は品種が多く様々な形がありますので、形から確実に見分けることはできません。
中身で分かる?
甘柿を食べてると、ゴマ状の黒い点々を見かけることが多いですよね?
これはタンニンが溶けていないため、渋みがないと判断できる要素になります。
口に入れる前に黒い点々を確認すれば、100%とは言えませんが甘い可能性が高いと言えますね。
外見で確実な判断は難しいので、品種を確認するのが一番確実かもしれません。
渋柿の渋抜き方法
もし渋柿にあたってしまった場合、渋抜きをすれば甘くすることができます。
とても簡単にできますので紹介しますね。
アルコールを使う
35度以上のお酒を使います。
焼酎や日本酒を使うことが多いですが、ウィスキーやブランデーでも大丈夫です。
1.渋柿のヘタの部分にアルコールを浸します。
2.ビニール袋に詰めてしっかりと口を閉め、直射日光が当たらないように1週間ほど置きます。
こちらの動画で手順を実際に見ることができます(‘ω’)
お湯を使う
40度くらいのお湯に1日つけておく方法です。
長時間お湯の温度を維持するのが大変ですよね…
また、水っぽくなってしまったり出来上がり具合に難点もあります。
ドライアイスを使う
柿とドライアイスを袋に入れ、5日ほど待つ方法です。
ドライアイスさえあればというところですが、用意するのが面倒ですね。
りんごを使う
柿とりんごを袋に入れ、1週間ほど待つ方法です。
柿5個に対してりんご1個が目安です。
りんごからでるエチレンガスという成分が、果物の成熟を促進させる働きがあり、渋を抜くことができます。
一般の家庭で渋抜きをするなら『アルコール』が一番用意しやすく簡単でしょう(‘∀‘)
最後に
柿の旬は10~11月になります。
スーパーなどで品種を確認すれば渋柿にあたることも少ないと思います。
渋柿かどうかわからない時はこの記事の方法で見分けてみてくださいね。
もし渋柿にあたってしまったら渋抜きで甘くしてみてはいかがでしょうか。